ルークの旅立ち
余命1・2週間といわれて、二日目の朝がきました。

今日はまず、5時30頃にカラスの鳴き声に起こされました。
ルークの為に居間へ布団を敷いて寝ていたのですが、
西側の窓が開いていたらしく、鳴き声が響きました。
私は西側の家の屋根のアンテナの上からこちらを見下ろして鳴いている
縁起でもないクソカラスに「渇っ!!」といって追っ払いました!!
その後、ウトウトしていると・・・
ルークがなんだかソワソワして寝場所を変えていたので、
はてな?と思い、見てやると、オシッコを我慢できずにちょこっともらしていました。
私は「しまった!!!」と思いました。
昨日病院で点滴をしたので、ルークはオシッコが近くなっていたのでした。
(点滴をすると、尿の量が増えてトイレが近くなる)
私は急いで起き上がると、ルークは気付いてくれたのが嬉しかったのか
急いで玄関へ向かい、シッポをパタパタと振っていました。
私が抱きかかえて階段をおろしてやろうとすると、
ルークはスルリと抜けて、自分の脚でさっさと降りていきました。
長雨の影響で、道路はまだ濡れている場所も多かったですが、
天気の回復の兆しが見えるように、まだ低い日差しが木々の隙間から差し込んでいました。
今日のルークは朝から元気一杯でした!!
そのまま私を引っ張り、マンションの周りを一回りしたあと、
グングングングン歩き始めました。ヾU*・ェ・*Uゝ
昨日のママのお見舞いが効いたのか!?
お肉パワーなのか!?はたまた抗がん剤が良いように働いたのか!?
とにかく時折小走りも交えながら、ドンドンドンドン家から離れて行きました。
私はルークの顔を覗き込むと、
ルークはちょこっと息は荒いものの、眼をパチクリさせて、
ニコニコしながら一生懸命私に元気さをアピールしているようでした。
私はルークが昨日よりも元気になってくれたので、とっても嬉しかったのですが、
どうリードを引いても、とにかく家から遠くへ遠くへ向かって行きたがるルークを不思議に思い、
「ルーク、あんまり遠くへは行けないぞ」と言って、騙し騙し家へ連れて帰りました。
階段は負担が掛かるだろう思い、上りは抱えて・・・などと考えていましたが、
ここでもルークはいつものように、何事もないように、スタスタと登っていきました。
AM6:40頃
ルークを家へ置いて、今度はリオの散歩へ向かおうとした時、
ルークがまた着いてきましたwしかし、元気になったとはいえ、
あまり運動をさせてしまうのは良くないと考え、ルークを置いて行こうとしましたが、
柵の向こうから私を見つめ、一生懸命元気さをアピールして、シッポをパタパタ振っていて、
「ふぅー ふぅー」と何か云いたげだったのでw
今度はルークとリオを車にのせて、公園まで連れて行きました。

公園はまだ、雨の影響でジメジメしていましたが、
人影は無かったので、リオの方を放して散歩しました。

ルークはまた軽めのオシッコを計4回ほどし、
そのうち3回目のオシッコは、仔犬の頃の様に4本足で屈んでしていました。

ルークは公園などの蛇口から直接水を飲むのが好きで、朝の日課になっていました。
でも、生水は体にあまり良くないので、いつもちょこっとしか飲ませませんでしたが、
今日は特別!「飲んじゃえ飲んじゃえ」といって飲ませてあげました。
まだ人影は無かったので、今度はリオを繋いでルークを放してやると、
ルークはご機嫌そうに小さく公園を一周してきました。

しかし、やっぱり体には異変があるらしく、
上から見ると、胸の辺りが一回り大きく膨らんでいるようにも見えました。
出血によるものだと思われますが、時折胸に振られてヨロッとする事がありました。

散歩の最後の方で、ルークは便をしました。
昨日沢山食べたお肉なのか解りませんが、ウンチの最後の方がちょこっと赤く感じられました。

公園を一周すると、ルークは用が済んだかのように、そそくさと車へ戻っていきました。
そしてマンションに着いて、駐車場から階段へ向かおうとした時、
ルークはまた遠くへ歩き出そうとしました。
私が「ルーク行くな!帰るぞ!」というと、方向を変え、またそそくさと階段を登っていきました。

朝食を与えます。ふやかしたフードの上に手作り野菜スープ
そしてママの茹でてくれた牛肉を特盛りでのせてあげました。
もの凄い勢いで食べていきます。あっというまにお肉を平らげましたw
その後、私をチラッと見たあと、パパの野菜スープも全部綺麗に平らげました。
元気も出てきたし食欲もあるので、私はまだまだ大丈夫!!と嬉しくなりました。

食事を終えると、ルークはそのまま居間に敷いてあった布団の上にうつ伏せになりました。
可愛らしかったのでこの写真を収め「ルーク、今日は帰ったらまた病院だからな」というと
ルークはそのまま静かに両眼を閉じました。
まるで、すべての仕事を終えたかのように「ふー ふー ふー」と少し息荒く眠りに着きました。
出掛けると解っている主人を前に、両目を閉じて眠りに付くなんて、これが始めての事でした。
私はルークを軽く撫でたあと、寝巻きを丸めてルークの顎の下にそっと置き、仕事に向かいました。
仕事中、やはりルークの事を思い浮かべると、ポロポロ涙が溢れてきました。
ルークの為に出来ること、今してやれる事を考えました。
割り込んできた車もすんなり入れてあげましたw
そういったささやかな行為がですら、徳となってルークの為に良い方向へ向かうんじゃないかとか、
今晩からまた注射や点滴が始まるので、トイレが近くなるだろうから、
深夜に一度起きて連れて行こうとか、
そういえば、ルークには家でトイレをする事を教えていなかったので、
リビングを開放してペットシートでトイレを作ってあげる事を考えました。
しかし、仔犬の頃はトイレ天才で、トイレを失敗した事はなかったのですが、
いまとなって、シートにトイレをしてくれるかどうか・・・
そうだ!!ベランダに植栽を並べてみよう!!公園でするような木があれば、
ルークはオシッコくらいしてくれるかもしれない!!
PM16:30頃
最後の仕事へ向かう私の前に、花屋さんが目に付きました。
こういった都心で売っている植物は高いだろうな~とは思いましたが、
今は後でとか言っている場合ではないので、とにかく今!と思い、
そこでルークのトイレ用に木を買いました。
植物などに興味の無い私なので、パッと見て丁度良さそうなのを選んで車に乗せました。
そして車を走らせて直ぐ、私は不思議な感覚に包まれました。
それは、全ての悩みから開放されたような、胸の痞えが抜けていくような、
肩の重荷が取れたような・・・もう急がなくていいんだと・・・そんな気持ちに包まれました。
僅かな時間ですが、確かにそんな時が一時ありました。
私は、急いで事故でも起こしたら、ルークの看病どころじゃなくなってしまうと思い、
仕事を終えて、速度を抑えて、我が家へ車を走らせました。
MP18:00帰宅
駐車場に着くと、いつものようにリオがベランダからお迎えの顔を覗かせていました。
朝出る時に、居間の明かりを消し忘れたらしく、我が家には明かりが点っていました。
私はルークの木を抱えて玄関を開けました。
お迎えはリオだけでした。
「ルーク~ ルークやルーク~」と呼びながらリビング・居間を覗きましたが、
朝出掛けた時のまま、布団も何もそのままの綺麗な状態でした。
ベランダにもいません、嫌だけど信じたくない予感が体中を駆け巡ります。
玄関先にちょこんと座り、静かに寝室を見つめているリオがいました。
「うわーー! やだよーー! ルークーー!! うわーーー!!」
私は何もかも忘れ、子供のように泣きじゃくりました。
ルークはそれまで、私と寝起きを共にしてきたベッドの上で、静かに横たわっていました。

11月2日 ルーク 永眠 9歳2ヶ月
CLOSE YOUR EYES
もう一度 生まれ変わったら あなたの名を 呼んであげたい
私の胸の中へ帰っておいで 気高い あなたの勇気をだきしめたい
瞳を閉じれば 希望へ駆け上る あなたが永遠に生きている

MP18:12
ルークは、私と寝起きを共にしていたベッドの上を最後の場所に選んだのか、
そこに居れば、必ず私が帰ってくると思ったのか、そこで待ち続けたのか、
それとも私の悲しむ顔を見たくなかったのか解りませんが、
ジェナー動物病院へ
「今日の診察は不要のものとなりました。
ルークは旅立ってしまいました。いままで有難う御座いました。」と連絡を入れる。
それと同じような内容をメールでママにも送った。
リオは寝室へは入ってはきませんでした。
この子もどんな思いで見守っていたのだろうかと思い、
ルークの鼻から滴り落ちる血を綺麗に拭いてやって、目を閉じた後、
リオの散歩に出掛けました。

飛ぶ鳥跡を濁さず!とはいいますが、
ルークは最後まで手の掛からない良い子でした。
上の写真のように、ベッドの上で横たわり、鼻先だけちょこっとベッドからはみ出していました。
お腹がパンパンに膨れ上がっていたので、恐らく胸に溜まった血がお腹に下ったか
脾臓が破裂してしまったのかとは思われますが、
ただ、これに末期の肺がんも抱えていたので、生き永らえたとしても、
最後には呼吸困難が待っていたので、今は長く苦しまないで良かったと思う事にしています。
鼻から流れた血は、下の上り下り用のマットがほとんど吸収してくれていたので、
最後に排出された尿を吸い込んだ布団カバーを洗濯機に入れて、
マットを捨てて、床を軽く拭く程度で、ものの10分程度も掛からずに、
体を拭いてやってブラシもかけてルークを綺麗なベッドに移してやる事ができました。
本当に最後の最後まで孝行息子であったと、沢山沢山褒めてやりました。
夜にはママもすっ飛んできて、ルークにお花を添えてくれました。
日記の中で、某病院の方へ、失礼な記載をしてしまいましたが、
あれはその時思った感情のままを書いたまでであり、特に他意は御座いません、
医師はその時の状況を診察して、治療法の幾つかを飼い主に提案するのであって、
選択するのは飼い主であり、医師は最良と思われる治療を行っていくまでです。
この場にてお詫びいたします。
最後に、ルークの為に色々とご協力して下さった皆様、
本当にありがとう御座いました。
この記事へのコメント
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No title - ビビママ - 2010年11月14日 19:30:29
パパさんお疲れ様でした。
こんなんしかかけませんが
御冥福をお祈り致します。