ゴールデン三代 富士山頂を目指した 7年の記録 (総集編)

ルーク5歳 リオ3歳 当時、休日や連休といえば、川や海への遠征や、地方の牧場やドッグランなどが愛犬との遊びの支流でした。
お盆休みに、何処へ連れて行こうか考え、昔中学の修学旅行で富士山の五合目へ行ったのを思い出し、1度くらいは日本一の富士山を見せてやるか!と、これが愛犬との富士登山の始まりとなりました。
行ったは良いが、始めての富士山はシーズンで通行止め、警備をしていた地元のおじさんが、人もあまり来ないという登山道を教えてくれました。


始めての富士山でルークとリオは、普段の散歩や遊びではとても見られない様な嬉しそうな顔をしてはしゃぎ回って喜びました。
私はそれまで、本当に犬達が喜ぶことってなんだろう?と、ずっと心の何処かで考えていたような気がします。
とにかく、まずは五合目へ行きたい!ただそれだけで富士山へ行くようになったと思います。行った先で何処まで行けるのか?考えてw
行き当たりばったりの犬登山をしていました。


富士山の事を何も知らない飼い主、微かな記憶やTVで観た記憶などを頼りにwある時は通行止め、またある時は積雪による封鎖、行っても車で五合目まで登れない事もしばしばwちょっと遊んだら怪我をして引き返した事もありました。
そんな事を繰り返し、やっと辿り着いた昔来た事のあるスバルライン富士山五合目、この頃はまだ富士山には至る所に天然の川や湧き水くらいあるだろうなんて考えていました。


幕岩を制す!なんてたいそうなタイトルが付いていますが、この頃は登る事よりなるべく疲れない横歩きの富士登山をしていました。しかし、なだらかなハイキングなんて富士山では中々ありませんw行った先であたふたと急な登りや下りに悪戦苦闘、おまけに楽をして帰ろうと考えて、初めて迷子になって慌てた富士登山でしたw
体の大きなルークが何時だって先頭を歩いていました。リオはちょこまかと私とルークの間を行ったり来たりしていました。


ルーク6歳 リオ5歳 二年ほど登山の経験を積んだ私達は、遂に!富士山頂へと挑戦をしました。人が居ない富士登山なら、シーズンの一ヶ月前後だということで、諸夏に臨む事に決めました!
富士山なんてハイキングの延長だろう~なんて甘い考えで挑んで、知識不足・準備不足・経験不足もあいまって、ルークの肉球の磨耗と八合目の積雪に阻まれて、コテンパンにされて追い返されました。
今考えると、あの時無事に帰れたのが不思議なくらいです。


愛犬と一緒に目標を持って冒険をする!富士山頂挑戦の敗戦から、もっともっと経験を積んで!何時の日か皆で天辺を制覇してやろう!が私達の大きな目標になりました。
あれから二年、今年の秋辺り・・・しかしこれがルークにとって、最後の富士登山となりました。


最後の富士登山から一ヵ月後、ルークは睾丸にできた腫瘍から前立腺肥大の膀胱炎となり、睾丸の摘出手術を受けました。
精密検査の結果も他に悪い所は見当たらず、今後1・2年は安心でしょう~♪とお墨付きを貰いましたが、その3ヵ月後、血管肉腫の末期癌となり、大好きな油壺の海で遊んだのを最後に、ルークは9歳2ヶ月で虹の橋を渡りました。

リオの冒険記 (8歳からの決起!麓からの挑戦)

相棒ルークを失い、飼い主は腐っていた。
ルークの生きた証を残そうと、一度止めたブログを再開する。
過去の画像を引っ張り出して、ルークとの思い出を綴っている間だけは、まだルークが側で生きているような気になれた。
そうだ!足跡を繋げよう!
こうしてリオと二人で、海抜584M 麓から富士山頂を目指す第二の冒険が始まった!リオ8歳5ヶ月


忠ちゃん牧場 標高800M
うっそうとした杉林を抜けて、麓から緩やかに登る須山口登山歩道、少し迷ったりもしましたが弁当場まで登る。
水ヶ塚公園を目指すも、春の富士山はまだまだ冬だと改めて知るw
豪雪に阻まれて今回はここで撤退、雪解けを待って再挑戦を誓う。


決意を新たに挑んだ富士登山から一ヵ月後、ルークが旅立ってから半年も経たないうちに・・・今度はリオが子宮蓄膿症に・・・
黄疸も出て、愛犬の生命の危機に再び直面した飼い主・・・
思うように行かないのが人生・・・命ってなんだろうと・・・再度思い知らされて物凄く辛い時期でした。
伝助のお里の さん太ママ さんとお知り合いになったのも、調度この記事からでした。


リオ9歳「驚くべき回復力です!」と医師にも驚かれ、子宮蓄膿症を乗り越えました!元気になってから海でリハビリしたり、まだ生まれてもいないゴルパピの里親に名乗りを上げたり、短い間に色んな事がありました。
犬の一生は短い・・・後で後悔しない為に迷いや不安はあったけど、リオが歩みを止めない限り、私達は目標に向かって前へ進む事に決めました。 水ヶ塚公園 標高 1500M 到達


伝助の生まれる一ヶ月前、更に上へと足跡を繋げるべく水ヶ塚公園に拠点を移す。子宮蓄膿症から回復したリオはその後も以前の元気を取り戻し、まだまだ飛んだり跳ねたり元気一杯でした!
須山口登山歩道を調べつくしてやろうとw以前ルークと行った幕岩の更に上を目指します。


秋の晴天の富士山は、まさに絶好のハイキング日和でした!
この弁当場から水ヶ塚公園を経て幕岩~三辻~御殿庭のコースは、要所に見所があり富士の景色も色とりどりと捲るめくる変って行くので、まったく退屈しない楽しいコースでした。
私の富士登山の記憶の中でも、思い出深いものとなりました。

リオと伝助の冒険記 (足跡を繋いで富士山頂への道)

ルークが旅立って1年5ヶ月、リオと二人のちょっと寂しい冒険に新参犬伝助が加わりました!神戸のお里「さん太家」へ片道7時間以上かけて、リオと一緒に伝助を迎えにいきました。


新参犬伝助を迎え、何時も自分中心の私わたしのリオが精神的に大きく成長しました!最後に上を目指す富士山へ来たのが一年半前、新参犬伝助はリオ先生を手本に、目覚しい若武者の登山犬に成長しました!
足跡を繋いで、リオが頑張って麓から繋いできた道を!新たなるリーダーとして伝助が引っ張ります!!リオ10歳7ヶ月 伝助1歳4ヵ月


始めての富士登山でルークとリオとで登った時には、深い霧で何にも見えなかった景色を、天候に恵まれて見渡す事ができました。
9歳過ぎても飛び跳ねるほど元気だったリオも、9歳半を過ぎた辺りから老いを感じるようになってきました。
何処まで行けるのか解らないけど、リオが歩みを止めない限り挑戦し続けよう!老いて行く寂しさと、手を差し伸べる事が出来る喜びと、新参犬伝助に引っ張られ、富士宮口五合目 標高2400Mへ到達。


拠点を富士宮口五合目へと移し、山頂制覇前哨戦として、第二の山頂と言われる宝永山を目指します。
元気一杯の伝助と、最近ではのんびりと床を暖めているリオ、7年前にルークとリオとで行った。宝永第一火口へ向かいます。


短いコースだ楽勝だ!と思って登ってみれば、落石二回に蟻地獄の様な足元に悪戦苦闘、富士の怖さを目の当たりにしました。
体が飛ばされるほどの突風と耳が千切れるほどの冷たく痛い風の中、元気息子の伝助がパーティーを引っ張ります。
宝永山山頂 標高2693M 到達


宝永山山頂からの帰路、往復2時間程度とふんで挑んだ宝永山、考えていた時間の倍近く掛かってしまいました。
私の後ろを歩くようになってしまったリオに衰えを感じながら、更に溶岩石による肉球の磨耗から出血してしまい、途中34㌔を担いで下山しました。
もはや足裏の保護を無くして、五合目より上への登山は無理だと再度認識、同じ過ちを繰り返してしまいました。
この登山の一ヵ月後、私達の富士山は世界遺産となった。

富士山頂を目指せ!ヾU*・ェ・*Uゝ

伝助1歳9ヶ月 リオ11歳 泣いても笑っても、リオの年齢を考えてこれで最後の挑戦にしようと決めて挑んだ富士山頂への道、五月の宝永山制覇から一ヵ月後、私達の富士山は世界遺産となった。
その世界遺産となった富士山頂へ富士宮コースから二度目の挑戦となります。疲れ知らず、怖いもの知らずの伝助と、衰えながらもスンスンとマイペースでベテランの足取りを見せるリオ!
準備は万端!足の保護も完璧!前回の雪辱を晴らせるか!?さ~出発だ!


富士山天気予報では快晴でしたが、五合目からここまでは小雨が降ったり霧に包まれたりの繰り返しでした。しかし登るにつれて空はグングン晴れ渡り、絶好の登山日和を呼び込みました。
ここ最近近所の散歩も面倒臭そうに歩くリオに不安を感じていましたが、これが最後の登山?目指していた目標と知っていたのか!?前回の宝永山や近場の散歩では見られないような勇姿を見せます!


ここまで、リオの何倍も無駄に行ったり来たりを繰り返す伝助の靴を何度も履き替えたのに対し、無駄なく丁寧に着実に登るリオの靴は壊れる事はありませんでした。流石はリオ!ベテランさん恐るべしです!
ここから8合目まではかなり大きな岩が落ちていたり道筋はかなり悪いです。
それでもリオは常に私の前を歩き、時には道草をする伝助をイソイソと追い抜いていったりしていました。
そして5年前、ルークと登った8合目まで到達!標高3250M


5年前、富士山の事を何も知らずに、ハイキングの延長だ~位の甘い考えでwコテンパンにされて追い返された8合目、その先の未知の領域へ、11歳となったリオと新参犬伝助と登頂未経験の飼い主が無謀にも挑みます!
犬の11歳というと人間の80歳相当に値するそうです。リオは一体何処まで行けるのだろうか!?彼女が歩みを止めたり、躊躇ったりしたら迷わず引き返す!そう心に決めて登っていきます。
始めての9合目、そこは空に浮かぶ石の船の様な場所でした。標高3410M


どんどん岩肌が増えて硬くゴツゴツそして急斜面になっていく道筋、予定より増える休憩時間、そして消費していく命の水、ほとんど飼い主の為に・・・
お前達は疲れないのだろうか?・・・心配していたリオでさえ飼い主を気遣って引き返してくる始末・・・
この冒険で一番頼りないのは私自身であった・・・
新参犬伝助と、最高の相棒リオ大先生に引っ張られ、日本の最高峰!剣ヶ峰、標高3776M達成!!


愛犬と目標を持って冒険をする!始めての富士山から7年2ヶ月、私達は遂に富士山登頂を成し遂げた!色んな事がありました。達成感とは裏腹に、この途方も無い場所から無事に生還出来るのかどうか?その事だけが心に太くクッキリと突き刺さっていました。最後の水を飲み干し、ここから水なしで数時間永遠下って行かなくてはなりません、富士山は何時だって私の考えの上を行きます。「連れて行ってやるぞ!」と豪語して、結局登れたのも無事に帰れたのも愛犬のお蔭でした。心配するのも仲間を労わる気持ちも、人も犬も皆同じ、私達は運命共同体なのだと、一番苦しい時に私は犬に教えられました。


ルークが旅立って丸3年経ちました。
あのどん底から・・・濃い3年を歩んできました。ルークにその報告をしました。
楽しい思い出の詰まった場所、何時までも変らない場所、そしてまた必ず訪れるであろう場所、ここから見守っていておくれ、パパ達は!ルークと歩いたこの道を!ここから見える富士の景色を!全部登りきったんだ!!
雪が積もったら雪遊びに、春が着たら~涼しい秋になったら~また遊びに来るから・・・


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